
GeoPrismJP ヒートマップ 全データ一覧 — 地殻変動・ジオイドを地図で見る
GeoPrismJP のヒートマップ画面で表示できる全データを一覧形式でまとめました。東京測地系から JGD2024 系列まで、各地震ごとの地殻変動補正量と、ジオイドモデルの分布・差分を地図で確認できます。
各ヒートマップは GeoPrismJP アプリの「全体図」パネルで表示される全国概要図に対応しています。白〜黄〜橙〜赤のグラデーションが補正量の大小を、青〜白〜赤のグラデーションがジオイド高の分布や差分を表します。
ジオイド高の分布
GSIGEO2011 と JPGEO2024 それぞれのジオイド高(N 値)の全国分布と、両モデルの差分です。
GSIGEO2011 と JPGEO2024 の比較

左:GSIGEO2011(最小値 16.58m、最大値 50.79m)。右:JPGEO2024(最小値 12.34m、最大値 52.26m)。東北・北海道東部でジオイド高が高く(赤〜橙)、沖縄・南西諸島にかけて低い(青)分布が両モデルで共通しています。
ジオイド高の変化(JPGEO2024 − GSIGEO2011)

JPGEO2024 から GSIGEO2011 を引いた差分(最大変化量 ±33.91cm)。東北地方太平洋側や能登半島・熊本など地震の影響が大きかった地域で差分が顕著です。GPS 測量から正標高を求める際、どのモデルを使うかで結果が変わります。
測地系変換補正量(TKY2JGD)
東京測地系 → JGD2000

東京測地系(ベッセル楕円体)から JGD2000(GRS80楕円体)への変換補正量。最大補正量は 19.8312秒 ≈ 612m(緯度 24.3°、経度 124.1°付近)。全国的に 12〜19 秒台(約 370〜600m)の補正が生じており、北東方向ほど大きくなる傾向があります。旧測地系の図面や台帳を現行系へ変換する際の補正規模の目安になります。
地殻変動補正量 — jgdMerge2011(2003〜2011年)
2003年十勝沖地震から 2011年東北地方太平洋沖地震まで、7 つの地震補正を合算したデータです。
全地震合算

jgdMerge2011 の全地震を合算した補正量。東北地方太平洋側に最大の変動が集中しており、東日本大震災の影響が支配的です。
十勝沖地震(2003年)本震・補完

左:十勝沖地震(本震)(最大 0.0318秒 ≈ 0.77m)。北海道東部・根室〜釧路沖を震源とし、道東を中心に補正が分布します。右:十勝沖地震(補完)(最大 0.0103秒 ≈ 0.27m)。本震後に追加されたデータで、補正範囲は本震とほぼ重なります。
福岡県西方沖地震(2005年)・能登半島地震(2007年)

左:福岡県西方沖地震(最大 0.0060秒 ≈ 0.18m)。福岡・佐賀の局所的な範囲に影響が限定されています。右:能登半島地震(2007年)(最大 0.0148秒 ≈ 0.38m)。石川県・富山県の能登半島周辺に補正が集中します。
中越沖地震(2007年)・岩手宮城内陸地震(2008年)

左:中越沖地震(最大 0.0124秒 ≈ 0.31m)。新潟県中越〜柏崎沖周辺に補正が分布します。右:岩手・宮城内陸地震(最大 0.0321秒 ≈ 0.77m)。岩手・宮城県境の内陸部に局所的な高い補正が見られます。
宮古島近海地震(2008年)・東北地方太平洋沖地震(2011年)

左:宮古島近海地震(最大 0.0390秒 ≈ 1.20m)。沖縄県の宮古島付近に限定された補正です。右:東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)(最大 0.2362秒 ≈ 5.85m)。仙台平野付近を中心に東北〜関東太平洋側に広範な補正が生じており、jgdMerge2011 全体の大半を占めます。
地殻変動補正量 — jgdMerge2024(2016〜2025年)
2016年熊本地震・2024年能登半島地震・2024年日向灘地震・2025年青森県東方沖地震による補正データです。
全地震合算

jgdMerge2024 の全地震を合算した補正量。能登半島・熊本・大分エリアに加えて青森県東方沖の計3エリアに局所的に集中しており、東日本大震災と比較して影響範囲は狭いものの、当該地域での補正量は大きくなります(最大は能登半島の 0.0501秒 ≈ 1.23m)。
熊本地震(2016年)・令和6年能登半島地震(2024年)

左:熊本地震(最大 0.0348秒 ≈ 1.04m)。熊本・大分県境付近に補正が集中し、局所的に 1m を超える変動があります。右:令和6年能登半島地震(最大 0.0501秒 ≈ 1.23m)。能登半島北端を中心に 1m 超の補正が生じており、石川・富山・新潟の広い範囲に影響が及びます。
日向灘地震(2024年)

日向灘地震(最大 0.0049秒 ≈ 0.13m)。宮崎・大分沖の限定された範囲に補正が分布します。他の地震と比較して補正量は小さく、影響範囲も局所的です。
令和7年青森県東方沖地震(2025年)

令和7年青森県東方沖地震(最大 0.0040秒 ≈ 0.09m、緯度 41.2°・経度 141.4° 付近)。青森県東方沖の限定された範囲に補正が分布します。jgdMerge2024 のなかでは補正量が最も小さく、影響範囲も局所的です。2026年2月に国土地理院がパラメータを公開し、GeoCore に追加されました。
セミダイナミック補正・定常時地殻変動補正
jgd2024c・jgd2024d は地震補正とは異なり、継続的な地殻変動を補正するためのデータです。
セミダイナミック補正(jgd2024c)と定常時地殻変動補正(jgd2024d)

左:セミダイナミック補正(SemiDyna2026)(最大 0.0882秒 ≈ 2.68m)。プレート運動による継続的な地殻変動を補正するパラメータで、毎年更新されます。右:定常時地殻変動補正(pos2jgd・2026年1月版)(最大 0.0882秒 ≈ 2.68m)。2026年1月の時点では、定常時地殻変動補正(jgd2024d)はセミダイナミック補正(jgd2024c)とほぼ同じ分布・補正量でした。両マップとも沖縄・南西諸島付近に補正が大きく表れており、フィリピン海プレートの影響が顕著です。精密な測量成果の比較・引照点管理においてこれらの補正の適用が必要です。
定常時地殻変動補正の時間変化(2026年1月版 → 4月版)
定常時地殻変動補正(pos2jgd)は2か月ごとに更新されます。元期(測地成果2024)からの経過時間が延びるほど、プレート運動と地震後の余効変動の累積によって補正量は増加していきます。

左:2026年1月版(pos2jgd_202601)、右:2026年4月版(pos2jgd_202604)。一見すると2枚はほとんど同じに見え、タイトルの最大補正量も両版とも「0.0882秒 ≈ 2.68m」で一致しています。これは最大補正量が現れる地点が沖縄・南西諸島の南西端(与那国島付近、約24.5°N・122.9°E)にあり、その地点の値が1月版と4月版でほぼ変わらないためです。タイトルの「最大補正量」はこの1点に支配されるため、両版で同じ数値になります。ただし「最大補正量が同じ」=「分布が同じ」ではありません。 実際に変化しているのは別の場所です。
1月版と4月版の差分 — 変化したのはどこか
4月版から1月版を引いた差分ヒートマップ(変化量の大きさ |Δ|)を見ると、変化の在り処が一目で分かります。

差分は東北地方太平洋側(岩手県沖・約40°N, 142°E)に集中し、最大で約0.0036秒 ≈ 9cmに達します。これは東日本大震災(2011年)後の余効変動が現在も継続しているためで、わずか3か月でも無視できない変化が生じます。一方、南西諸島や西日本では1月→4月の変化はごく小さく、最大補正点(与那国付近)の値が据え置かれていたことと整合します。
精密測量では、適用するパラメータの版(時点)に注意が必要です。特に東北など地殻変動の大きい地域では、最新版の定常時地殻変動補正(pos2jgd)を使うことが重要になります。
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※ 用語について:本記事で使用している jgd2024c・jgd2024d は、GeoCore の座標変換機能名であり、一般的な正式名称ではありません。
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