
3つの「北」を学ぶ — 真北・磁北・座標北はどう違う?
「北はどっち?」——実は測量・地図の世界には 3つの北 があります。地球の自転軸が指す 真北、方位磁針が指す 磁北、そして平面直角座標系のX軸が指す 座標北 です。3つは互いに少しずつずれていて、この違いを知らないと図面と現地の方位が合わない原因になります。GeoPrism JP(GPRM)の「見て・学ぶ」視点で整理します。
その1:真北(しんぽく)— 子午線が指す北
真北は、その地点の子午線(経線)に沿って北極点へ向かう方向です。地図・測量の「北」の基準はこれ。地形図の図郭の縦線も、基本的に真北を基準に描かれています。
その2:磁北(じほく)— 方位磁針が指す北
磁北は方位磁針のN極が指す方向です。地磁気の北磁極は北極点と一致しないため、磁北は真北からずれます。このずれを 偏角(磁気偏角) と呼びます。
- 日本では磁北は真北より 西へおおむね4〜10度ずれています(西偏)。
- ずれの大きさは場所によって異なり、北海道側で大きく、沖縄側で小さい傾向。東京付近では西へおよそ7〜8度です。
- 地磁気は年々変化するため、偏角も少しずつ変わります。国土地理院が磁気図として公表しています。
登山用の2万5千分1地形図に「磁北線」を引くのは、このずれを補正してコンパスを使うためです。
その3:座標北 — 平面直角座標系のX軸が指す北
3つめが意外と知られていない 座標北(方眼北) です。平面直角座標系では X軸の正方向が北ですが、これは系の原点を通る子午線の真北に合わせたもの。原点から東西に離れた地点では、その地点の子午線(=真北)と座標のX軸方向は一致しません。
このずれを 子午線収差角(真北方向角) と呼び、近似的には
子午線収差角 γ ≒ Δλ × sinφ
(Δλ:原点子午線からの経度差、φ:その地点の緯度)
で見積もれます。たとえば第9系(原点の経度 139°50′E)で経度 140°07′E・緯度 35.6° の地点なら、Δλ=17′、sin35.6°≒0.58 で γ≒10′(約0.17度)。原点から東西に離れるほど大きくなります。
CADで「図面の上方向」をそのまま真北と思い込むと、この収差角のぶんだけ方位を誤ることになります。
3つの北をひとことで
| 北 | 基準 | 真北とのずれ |
|---|---|---|
| 真北 | その地点の子午線(北極方向) | — |
| 磁北 | 地磁気(方位磁針) | 日本では西へ約4〜10度。場所と年代で変わる |
| 座標北 | 平面直角座標系のX軸(原点子午線の真北) | 子午線収差角。原点の真東西で0、離れるほど増える |
GeoPrism JP で「系と原点」を確かめる
座標北のずれは「いまどの系にいて、原点子午線からどれだけ東西に離れているか」で決まります。GeoPrism JP は現在地や指定地点が平面直角座標系のどの系に当たるかを自動判定できるので、まず自分の系と原点の位置関係を掴むのが第一歩です。

19系のしくみそのものは「平面直角座標系を地図で学ぶ」で、X軸・Y軸の向きは「クイズ解説② 平面直角座標系」で確認できます。
まとめ
- 「北」には 真北・磁北・座標北 の3つがある。
- 磁北は真北から 西へ約4〜10度(日本、場所・年代で変化)、座標北は 子午線収差角 のぶん真北からずれる。
- 図面・地図・コンパスを併用するときは「どの北を基準にしているか」を最初に確認するのが鉄則。
出典
- 磁気図 | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/menu03_magnetic_chart.html
- わかりやすい平面直角座標系 | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/jpc.html
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