
【クイズ解説⑪】真北・磁北・座標北はどう違う? — 3つの「北」を復習する
GeoPrism JP の「学ぶ・クイズ」から毎回2問ほどを取り上げて解説する連載、第11回です。第10回は水準点・三角点・電子基準点の違いを扱いました。今回は測量・地図でよく混同される真北・磁北・座標北という3つの「北」をクイズで確認します。詳しい背景は3つの「北」を学ぶ — 真北・磁北・座標北はどう違う?でも扱っています。
第1問:コンパスの針が指す「北」はどれ?
方位磁石(コンパス)の針が示す「北」は、次のうちどれですか。
- 真北(地球の自転軸に基づく北)
- 磁北(地磁気の水平分力が指す北)
- 座標北(地図の図郭のY軸方向の北)
- どれとも一致しない、常に一定の北
正解:2(磁北)
コンパスの針は地球の磁場に反応して磁北を指します。磁北は地球の自転軸で決まる真北とは一致しておらず、その差(偏角)は場所や年によって変わります。偏角の計算方法については磁北はどう計算される — 地磁気モデルと偏角で扱った通り、IGRF(国際標準地磁気モデル)のような地磁気モデルを使って推定します。日本付近では西偏(磁北が真北より西にずれる)が一般的です。

第2問:平面直角座標系の地図で、まっすぐ縦に引かれた「北」はどれ?
平面直角座標系(GeoConverterProやGeoPrism JPで使う座標系)の図郭上で、Y軸方向がそのまま指している「北」はどれですか。
- 真北
- 磁北
- 座標北(グリッド北)
- どの北とも一致しない
正解:3(座標北/グリッド北)
平面直角座標系は、原点を通る子午線(中央子午線)以外の場所では、地図上のY軸方向(座標北)と実際の真北が完全には一致しません。この角度差は「子午線収差角」と呼ばれ、中央子午線から東西に離れるほど大きくなります。実際の計算式は、GeoConverterProブログの方位角と子午線収差角 — 座標北と真北の角度を計算するで扱っています。測量図面の「北」がどの北を指しているかを確認せずに現場の実測方位と突き合わせると、この収差角の分だけズレて見えることがあります。

ひとことメモ:3つの北、基準で覚える
3つの「北」は、それぞれ何を基準にしているかで整理すると覚えやすくなります。
| 北の種類 | 基準 | ズレの要因 |
|---|---|---|
| 真北 | 地球の自転軸(地理学的な北極点) | 基本的に不変(地図・測量計算上の基準) |
| 磁北 | 地球磁場の水平分力の向き | 地磁気の経年変化・場所によって変動 |
| 座標北(グリッド北) | 使用する座標系のY軸方向 | 中央子午線からの距離(子午線収差角) |
「北」と一口に言っても、コンパスが示す北(磁北)、地図の図郭が示す北(座標北)、そして地球そのものが基準の北(真北)は、それぞれ独立にズレる可能性があるという点を押さえておくと、現場での方位の食い違いに戸惑わずに済みます。
まとめ
真北は地球の自転軸を基準にした不変の北、磁北はコンパスが指す地磁気由来の北で経年変化があり、座標北(グリッド北)は使用する座標系のY軸方向で子午線収差角の分だけ真北とずれます。次回もクイズから2問を取り上げて解説します。
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出典
- 国土地理院「磁気図・偏角について」
- IGRF(International Geomagnetic Reference Field)モデル公開資料
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