【クイズ解説⑥】補正量はなぜ場所で違う? — セミダイナミック補正のきほん

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補正量はなぜ場所で違う? — セミダイナミック補正のきほん

【クイズ解説⑥】補正量はなぜ場所で違う? — セミダイナミック補正のきほん

GeoPrism JP の「学ぶ・クイズ」から毎回2問ほどを取り上げて解説する連載、第6回です。第1回は地震のあとの座標補正(PatchJGD)、第2回は平面直角座標系、第3回は楕円体高・標高・ジオイド、第4回は旧日本測地系と世界測地系のズレ、第5回はGRS80とWGS84の準拠楕円体を扱いました。今回のテーマは、第1回の地震時補正(PatchJGD)とセットで語られがちなセミダイナミック補正です。「地震のときだけ座標がズレる」と思われがちですが、実は地震が起きていない平常時にも、日本列島は毎年少しずつ動いています。


第1問:セミダイナミック補正が対象とする「ズレ」はどれか

セミダイナミック補正(jgd2024c)が対象とする座標のズレは、次のうちどれですか。

  1. 地震発生時に一瞬で生じる座標のズレ
  2. プレート運動による定常的(年単位で進行する)な地殻変動のズレ
  3. ジオイド面の凹凸によるズレ
  4. 準拠楕円体の違いによるズレ

正解:2(プレート運動による定常的な地殻変動のズレ)

日本列島はプレートの上に乗っており、地震の有無にかかわらず毎年少しずつ動き続けています。この定常的な動きによる座標のズレを補正するのがセミダイナミック補正です。

補正の種類 対象とするズレ 関連するクイズ
PatchJGD相当(jgd2024b) 地震発生時に急激に生じるズレ 第1回で解説
セミダイナミック補正(jgd2024c) プレート運動による定常的なズレ 今回

「地震補正」と「セミダイナミック補正」は、どちらも地殻変動に由来しますが、急激な変位か、年単位で進行する定常的な動きかという時間スケールの違いで区別されています。

セミダイナミック補正のズレヒートマップ(jgd2024c)

GeoPrism JPのヒートマップで見ると、プレート境界に近い地域ほど補正量が大きく、遠い地域ほど小さいという「地域差」がはっきり現れます。


第2問:測量成果として残すのは「元期」「今期」のどちらか

セミダイナミック補正で使う「元期」と「今期」のうち、測量成果として最終的に残す座標はどちらですか。

  1. 元期(測地系が定める基準時点の座標)
  2. 今期(実際に測量したその時点の座標)
  3. 元期と今期の平均値
  4. どちらも残さず、毎回新しい基準を作る

正解:1(元期)

地面が動き続けているため、同じ地点でも測量した時点(今期)の座標と、測地系が基準とする時点(元期)の座標はわずかにズレます。測量で直接得られるのは今期の座標ですが、測量成果として台帳などに残すのは元期の座標です。セミダイナミック補正は、この「今期→元期」への引き戻しを行う役割を担っています。


ひとことメモ:補正パラメータは年度ごとに更新される

地殻変動は今も進行し続けているため、セミダイナミック補正に使うパラメータは年度ごとに更新されます。「去年のパラメータのまま補正していないか」は、実務で定期的に確認しておきたいポイントです。パラメータの年度更新については、GeoConverterPro側の記事で詳しく扱っています。


まとめ

セミダイナミック補正は、地震のような急激な変位ではなく、プレート運動による定常的な地殻変動を補正する仕組みです。測量成果としては、実際に測った「今期」の座標ではなく、測地系が定める基準時点「元期」の座標を残します。第1回で扱った地震時補正(PatchJGD)とあわせて理解すると、「日本の座標がなぜ複数の補正を重ねて管理されているか」が見えてきます。

「学ぶ・クイズ」で確認した内容は、GeoPrism JPのズレマップやヒートマップで実際の分布に触れると、より定着しやすくなります。次回もクイズから2問を取り上げて解説します。

※ 用語について:本記事で使用している jgd2024c は、GeoCoreJP の座標変換機能名であり、一般的な正式名称ではありません。

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出典

  • 地殻変動補正 | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/chikakuhendo-hosei.html
  • プレート運動による地殻変動の補正(定常) | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/semidyna.html

開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。


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