
なぜGNSSは4機以上の衛星が必要なのか — 位置が決まるしくみをビジュアルで学ぶ
「GPS(GNSS)はなぜ最低4機の衛星が必要なの?」——測量や測位を学び始めると一度はぶつかる疑問です。位置はX・Y・Zの3つで決まるはずなのに、なぜ4機目が要るのか。GeoPrism JP(GPRM)の「見て学ぶ」目線で、衛星測位の基本のしくみを整理します。
衛星測位は「距離で位置を決める」三辺測量
GNSS測位の土台は、複数の衛星からの距離で位置を割り出す三辺測量の考え方です。各衛星は「自分の位置」と「電波を出した時刻」を送っており、受信機は電波が届くまでの時間から衛星までの距離を求めます。
| 衛星の数 | 分かること(理屈のうえで) |
|---|---|
| 1機 | 衛星を中心とする球面上のどこか |
| 2機 | 2つの球の交わり(円) |
| 3機 | 3つの球の交わり(ほぼ2点に絞れる) |
| 4機 | 受信機の時計のズレも一緒に解いて確定 |
距離が1つ決まると、位置は「その衛星を中心とした球面上のどこか」に絞られます。2機で球が2つ交わって円になり、3機でほぼ2点まで絞られる——ここまでは中学校で習う図形の話に近いイメージです。
4機目は「受信機の時計のズレ」を解くため
理屈のうえでは3機で位置(X・Y・Z)が出そうに見えます。ところが現実には、もうひとつ未知数があります。受信機の時計の誤差です。
衛星には非常に精密な原子時計が積まれていますが、受信機側の時計は安価で誤差を持ちます。距離は「電波の伝わる時間 × 光の速さ」で求めるため、受信機の時計がほんの少しズレるだけで距離が大きく狂います。そこで、求めたい未知数は X・Y・Z の3つに加えて「時計のズレ」を入れた4つになります。未知数が4つなら式も4本、つまり衛星も最低4機必要——これが「4機以上」の理由です。
GeoPrism JP では、こうした測位のしくみや方法ごとの精度の違いをビジュアルで確認できます。原理を押さえたうえで、単独測位・RTKなど方法による精度差を見比べると、理解がつながります。

「位置が出る」と「正確に出る」は別の話
4機以上をとらえれば位置は出ますが、その精度は別の要素に左右されます。衛星の配置(空にバランスよく散っているか)、電離層や対流圏による電波の遅延、建物による反射(マルチパス)などです。だからこそ、より多くの衛星をとらえ、配置の良い状態で観測することが精度につながります。みちびき(QZSS)のように日本付近で高い位置に見える衛星が増えることは、この点で有利に働きます。
座標が「どの基準(測地系・基準フレーム)で表されているか」という話とあわせて理解すると、GNSSが出す数字の意味がより立体的に見えてきます。

まとめ
GNSS測位は、衛星までの距離で位置を絞り込む三辺測量がベースです。位置のX・Y・Zに加えて受信機の時計のズレという4つ目の未知数があるため、最低4機の衛星が必要になります。さらに、位置が出ることと正確に出ることは別問題で、衛星配置や電波の遅延・反射が精度を左右します。GeoPrism JP でしくみと精度差を見ながら、「なぜ4機なのか」を腑に落としてみてください。
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出典
- 内閣府 みちびき(準天頂衛星システム)公式サイト「測位のしくみ」 https://qzss.go.jp/
- 国土地理院「GNSS測量の基礎」関連解説 https://www.gsi.go.jp/
開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。
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