
日本列島は毎年動いている — プレート運動と地殻変動を可視化して学ぶ
「座標は一度測れば変わらない」——そう思いがちですが、実は日本列島はプレート運動によって毎年少しずつ動いています。なぜ補正パラメータが毎年更新されるのか、なぜ測地系の話に「元期」と「今期」が出てくるのか。その根っこにあるのが、この地殻変動です。測地系を見て学べる iOS アプリ GeoPrism JP(GPRM)の目線で、初学者向けにやさしく整理します。
プレートが動くから、座標も動く
日本列島は複数のプレートの境界付近にあり、それぞれのプレートが別々の方向へ年間数cm程度の速さで動いています。国土地理院は全国に約20km間隔で設置した電子基準点(GEONET)で、この動きをミリ単位で観測しています。
数cmと聞くと小さく感じますが、cm級の精度を扱う測量では無視できません。10年経てば数十cmに達することもあります。だからこそ、座標には「いつ時点の値か」という時間の概念が必要になります。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 元期(もとき) | 測地成果の基準となる時点の座標 |
| 今期(こんき) | 実際に観測している現在時点の座標 |
| 地殻変動補正 | 元期と今期のずれを補正パラメータで埋める処理 |
「定常」と「地震」の2種類の動き
地殻変動には、性質の違う2種類があります。
- 定常時の地殻変動:プレート運動による、ゆっくりと一定方向に進む動き。毎年更新される補正パラメータで扱います。
- 地震時の地殻変動:地震で一気に生じる大きなずれ。能登や熊本などで起きた変動がこれにあたります。
ふだんは定常の動きが少しずつ積み重なり、大きな地震があるとそこに飛び級的なずれが加わる——というイメージです。GeoPrism JP のズレマップやヒートマップは、この「どこがどれだけ動いたか」を地図上の色で直感的に確認できます。

動画で見る座標のズレ
文字だけでは「数cm動く」がピンと来ないかもしれません。GeoPrism JP のズレマップ動画では、地点を選ぶと座標がどちらにどれだけずれるかを地図上で確認できます。地殻変動が積み重なった結果としての「ズレ」を、操作しながら体感してみてください。
なぜ補正パラメータは毎年更新されるのか
プレートは止まらず動き続けるので、元期と今期のずれも毎年少しずつ広がります。これを埋めるため、国土地理院は地殻変動補正パラメータを毎年度更新しています(2026年4月1日には「地殻変動補正パラメータ.2026」が公開されました)。
つまり「毎年更新される」のは制度が変わるからではなく、地面が動き続けているから。この一点を押さえると、セミダイナミック補正や測地系の年度更新の話がぐっと分かりやすくなります。

まとめ
日本列島はプレート運動で毎年数cm動き、座標には「元期」と「今期」という時間の概念が必要になります。動きには定常時と地震時の2種類があり、補正パラメータが毎年更新されるのは地面が動き続けているからです。GeoPrism JP で「どこがどれだけ動いたか」を地図の色で見ると、抽象的だった地殻変動が一気に身近になります。
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出典
- 国土地理院「プレート運動による地殻変動の補正(定常) 導入背景と補正概要」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/chikakuhendo_background.html
- 国土地理院「公共測量における地殻変動補正パラメータについて」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/semidyna-seika.html
開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。
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